病気としての痴呆

認知症の基礎の説明
痴呆の初期症状としてよく挙げられるのが物忘れですが、実はこれ以外にも多くの初期症状があることをご存じでしょうか。

 

痴呆と言う状態を、加齢による老化現象だと考えている人もいるようですが、痴呆はれっきとした病気です。老化現象と言うのは誰にでも起こり得ることですが、痴呆はそうではありません。

 

痴呆の初期症状として見られるのは、物忘れの他に、うつ症状や言語障害、注意力が散漫になるなどの症状です。様々なことに対する意欲や自発性が失われ、やる気のないそぶりを見せるようになるのも痴呆の初期症状ですが、これらは周囲から見ると疲れているだけのようにも見えるため、気付かれないケースも少なくありません。

 

しかし、痴呆は病気ですから、病状が進行すると日常生活に支障をきたすようにもなります。痴呆は記憶力や判断力に大きな影響を及ぼす病気であるため、仕事や人とのコミュニケーションに影響が現れるようになります。

 

冒頭に挙げた物忘れの症状は、痴呆の人だけに出る症状ではなく、年齢を重ねれば誰にでも起こり得る症状です。物忘れは、いわば加齢によって起こる老化現象の1つですから、物忘れをするようになったからと言って痴呆と結び付ける必要はありません。

 

また逆に、物忘れがないからと言って痴呆の心配がないとも言い切れません。上記のように物忘れ以外の症状も多々見られるのが痴呆の特徴ですから、これらの症状について頭に入れておくと、早期発見に役立つでしょう。