アルツハイマー型痴呆の特徴

認知症の基礎の説明
痴呆は、病気などの原因よって
脳に様々な症状が起こることで発症します。
多く見られるのは脳の萎縮ですが、それ以外にも多くの症状があり、
原因となった病気によって見られる症状も異なります。

では、アルツハイマー型の痴呆では、
脳にどんな現象が見られるのでしょうか。
アルツハイマー型の痴呆は、
なぜ引き起こされるのかがいまだ明らかになっていません。
しかしながら、脳内でどのような
変化が起きているのかについては解明が進んでいます。
具体的には、大脳皮質の萎縮や老人班、神経原線維変化、
神経細胞の脱落、神経伝達物質の異常などが挙げられます。

痴呆に陥った人の脳の萎縮がどの程度なのかと言うと、
健康な人の脳の重量が約1400グラムなのに対し、アルツハイマー型の痴呆を
発症してから10年経過した人の脳の重量は800~900グラム程度しかないと言われています。

また老人班と言うのはシミのようなものを
指す言葉ですが、これが神経細胞同士の間に現れるのが痴呆の人の脳の特徴です。
痴呆状態にある人の脳を顕微鏡で見ると、神経細胞の間にシミのようなものや糸くずのようなものが見えます。
このシミを老人班、また糸くずを神経原線維変化と言います。

これらの物質の増加に比例して神経細胞が失われていき、痴呆の症状が進行していくと言われています。

アルツハイマー型の痴呆では、アセチルコリンと
呼ばれる記憶に関係する神経伝達物質が著しい減少を見せます。
このため、記憶力が極端に低下し、日常生活に支障をきたすようになるのです。