痴呆とうつ状態

認知症の基礎の説明

痴呆と混同されやすい病気の1つが、「うつ状態」です。
痴呆は原因となる病気や個人の状態によって症状も進行スピードも異なりますが、完治することのない病気です。

 

一方、うつ状態は適切な治療を受けることで改善することが可能ですから、ここに決定的な違いがあります。

 

痴呆とうつ状態では病気としての種類が全く違うため、当然ながら治療方法も異なります。

 

つまり痴呆なのかうつ状態なのかを見極めることは、適切な治療を受けるために必要不可欠なことだと言えるでしょう。

 

ここでは痴呆とうつ状態の違いについて紹介していきますので、知識の1つとして頭に入れておくと役に立つかもしれません。

 

うつ状態とは、気分が落ち込んで何に対してもやる気が低下し、思考までもが鈍ってしまう状態を言います。
痴呆にも似たような症状があることは事実ですが、痴呆とうつ状態には相違点がいくつかあります。

 

うつ状態にある人は、他人とのコミュニケーションをあまり取りたがりませんが、だからと言って言語理解ができないわけではありません。
会話をしようと思えばごく普通に話すことが可能なのがうつ状態です。

 

しかし、痴呆の場合、言語理解ができずに会話が困難であることも少なくありません。

 

またうつ状態にあると、気分の落ち込みに伴って自殺願望を持つケースも多く見られます。
実際に自殺に至ってしまう場合もあるため、深刻なうつ状態にある人に対して適切なケアを施すことは非常に重要です。

 

しかし、痴呆の場合には自殺願望を持つと言うことはほとんどなく、痴呆が原因で自殺すると言うケースも見られません。