前頭側頭型痴呆とは

認知症の基礎の説明
痴呆にはいくつかの種類がありますが、
中でも珍しいといわれているのが前頭側頭型の痴呆です。

ピック球と呼ばれる異常構造物が神経細胞に蓄積される場合と、
TDP-43と呼ばれる蛋白が蓄積される場合があります。

前頭側頭型痴呆に関しては原因も発症理由も明確に
なっていないため、予防についてもまだ研究が進んでいません。

また前頭側頭型の痴呆では、薬物による治療が用いられていないた
め、症状の進行を食い止めたり、悪化を防いだりすることは困難です。
そのため、家族や身近な人はこの痴呆についての知識を深め、
上手に付き合っていくことが必要です。

前頭側頭型の痴呆を発症すると、人間性が崩壊し始めます。
その他の痴呆では、物忘れが最もよく見られる症状であることもしばしばですが、
この痴呆の場合には人間性の崩壊が顕著に現れるケースが多いようです。

たとえば自己中心的になったり、だらしなくなるなど、
痴呆を発症する前とは別人のように人格が変化してしまうことも少なくありません。

さらには趣味・嗜好が変化することがあるため、
家族から見るとまさに別人のように感じてしまうこともあるかもしれません。

ただし、これらは全て病気によって引き起こされている症状ですから、
周囲の人はその事実を認識し、人間性は否定せずに肯定してあげることが大切です。

また症状の進行は非常にゆっくりであるとされており、
最初に症状が出るようになってから悪化するまでに10年かかるケースも多々見られます。