痴呆の進行について

認知症の基礎の説明

痴呆は、進行の程度によって症状が大きく異なります。
また痴呆の原因となった病気の
種類によっても進行のしかたが異なると言われています。

 

ここでは、脳血管性とアルツハイマー型の
痴呆に関してどのように進行していくかを見てみましょう。

 

脳血管性の痴呆の場合、脳卒中の発作が
症状の進行に大きな影響を与えるケースが多く見られます。
発作が起こることで症状が進行するため、発作を
重ねる度に痴呆が重症化していく場合も少なくありません。

 

またアルツハイマー型の痴呆は、
「軽度」「中等度」「高度」の3段階に分けられます。
それぞれの段階によって症状も異なりますから、3種の段階について把握しておくといいでしょう。

 

まず軽度の痴呆では記憶障害が見られる程度に留まります。
具体的には、調理中に鍋を焦がす・集中力の低下により
仕事の能率が下がるなどの現象が見られますが、日常生活は依然として営める程度です。

 

中等度では、軽度よりもやや深刻な症状が現れ始めます。
場所や時間などの感覚が曖昧になることから、道に迷ったりするようになります。
これも最初のうちは見知らぬ場所で起こるものの、症状が
進むにつれて自宅の近所やなじみの場所でも道に迷うようになることから、徐々に深刻さを増していきます。

 

高度の痴呆になると、もう1人で生活することはできないと言わざるを得ません。
家族の顔や親しい人の顔も認識できず、家の中でもトイレを探して迷ってしまうなどのトラブルが起こります。

 

高度の痴呆の状態の時に厄介なのが、認知症患者が、不都合を隠そうとすることです。
高度の痴呆では、受け答えもスムーズには
できなくなりますが、不都合を隠すための応答は上手にこなすようです。