痴呆とせん妄

認知症の基礎の説明
痴呆の症状の1つに、せん妄と言う状態があります。

痴呆の中でも特にアルツハイマー型の痴呆に見られる
症状だとされていますが、このせん妄は、痴呆以外の病気でも
見られる場合があります。

せん妄の原因がどこにあるのかを早期に
判断することは、適切な治療を施す上で非常に重要です。

痴呆によるせん妄とその他の病気によるせん妄の違いを知ることは、
的確な判断を下すために必要不可欠と言えるでしょう。

そもそもせん妄と言うのは、どのような状態を指すのでしょうか。
せん妄とは、理解力や判断力の低下に加え、幻想や妄想によって
興奮してしまうこともある状態を指します。

痴呆以外でせん妄の症状が現れるのは、急性の脳障害によって軽度の意識障害が認められる場合です。

痴呆のせん妄とそれ以外の病気によるせん妄が大きく異なるのは、症状の出方や進み方です。

たとえばせん妄患者の場合、1日のうちに何度も症状が
変わるため、短時間で普通の状態とせん妄状態を行き来するようなこともよくあります。
これはせん妄患者に見られる特徴的な症状で、痴呆患者にはあまり見られません。

また痴呆は少しずつ発症し、症状も徐々に進むのが
一般的ですが、せん妄の場合には突然発症すると言う違いがあります。

痴呆は一度発症すると永続的に症状が
現れるようになりますが、せん妄の場合は、症状が現れるのは長くても数週間程度です。

さらに痴呆は環境や服用薬などに関係なく
発症しますが、せん妄の発症は、薬物や環境による影響が大きいと言われています。