認知症の高齢者の気持ち

認知症の説明
認知症の高齢者は、自分が認知症であるという自覚がありません。自分で「ぼけた」というときでも、本当に自分の状態を理解している

わけではなく、半ば謙遜したり、周りからいつもいわれていることが口癖のようになって、いっていることが多いものです。

 

そのため、自分の行動にプライドを持っています。

 

ですから、自分が失敗したことを見せまいとして、かえって「問題行動」をおこしてしまうのです。

 

また、自分の衰えなどに対する不安などで心理的に不安定でもあります。

 

自分の失敗を自分じゃないといい張ったり、あるいは感情をコントロールする機能が低下するために、ちょっとしたことで怒ったり泣いたりすることもあります。

 

認知症の高齢者は、周囲との意思の疎通ができないことをもどかしく思っています。また、それだけに感情の面では研ぎ澄まされていて、相手の好悪の情に敏感に反応します。

 

そして、相手が自分のことを良く思っていないということを嫌い、相手が興奮しているということに興奮します。興奮している自分によけい興奮するのです。

 

認知症の高齢者も機嫌のいいときは、落ちついています。認知症の高齢者が落ち着かなかったり問題行動をおこしたりするのは、実は介護者の不安や動揺や嫌悪を感じているせいなのかもしれません。

 

認知症が進んでも、このように認知症の高齢者の心には、私たちにも十分理解したり共感できる部分は残されているのです。

 

特に他の高齢者同様、「ぼけたくない」という気持ちは強いため、「ぼけたから○○しなさい」ではなく、「ぼけないように薬を飲みましょう」 「ぼけの予防のためお医者さんに相談しましょう」といって説得する方が効果的なようです。